後付け設定を解消するような理にかなった改変が多い。武論尊先生はそれが逆に嫌だったのだろうか

dアニメストアで視聴。1986年の作品だがリマスターしているようで絵が綺麗になっている。作画自体も不安定だったTV版よりずっと良い。

原作者の武論尊先生に批判されたという伝説の劇場版。
劇場版はTVよりグロいと言われるが、これはDVD版のようで画面をぼかしたりしている。それでも敵が死ぬ時は黒いシルエットのTV版より断然グロい。VHS版は無修正だったそうだが、この配信版は少しぼかしてる程度なので脳みそだの骨だの内臓だのが見えている。修正が無いシーンも多い。

内容はケンシロウがラオウと戦うまでを110分に詰め込んでるので、大幅に登場人物が削減され(トキすらカットとは…その割に牙大王が拳王軍相手に大活躍してて謎wジャッカルやカーネルはモブキャラw)、アイリを捕らえてるのが牙一族じゃなくてジャギだったり、ハート様がジャギの手下だったりと(正気のハート様なら外道のジャギなどの下につかないと思うが…ただバトルを見ているレイが切断系の自分が戦った方がいいのでは?と言うのは面白い)ダイジェスト感がある。その割にリンとバットがらみのオリジナルシーンが多いのだが…。

ただ原作より改善されている箇所も多く、「ユリアは実は南斗の将だった」「ジャギはラオウの差し金で動いていた」「シンをそそのかしたのはジャギ」のような後付け設定を最初から取り入れて、ラオウとジャギが序盤から出て来て平行で行動しているため後付け感がなくなっている。
ケンシロウがシンより先にジャギと戦い、ジャギがシンをそそのかしたことを暴露するのも話の順番的に理にかなっている。アイリは原作は最初ジャギにさらわれたのに、その後で牙一族に転売されたことになっているが、こちらでは直接ジャギからアイリ取り戻すことで、レイが胸に七つの傷の男を探していた話が綺麗につながっている。アイリがレイプされまくったことを匂わせてすぐ立ち直れず、リンに元気づけられる展開も良い。
ユリアが南斗の血を引いていることも最初から明言し、ケンシロウとユリアが結ばれることで北斗と南斗の融合が意図されていたと初期の段階から言うのも筋が通っている。ラオウがシンのサザンクロスに攻めて来ることで、原作のシンがユリアそっくりの人形を使い、後で実はユリアはリハクが助けて生きていたというツッコミ所しかない後付け展開もしっかり改善されている。シンが「同じ女を愛したケンシロウの手にかかって死にたかった」と言う改変もなかなかグッとくる。
リンが育てた花をアイリや、放射能汚染された土を蘇らせたいユリアに見せることで心の救済をするのは、核による破壊と再生というテーマ性をよく描けている。ただ最後のバットの「死んだ土が吹っ飛ばされたんだ!」は吹いたけどw
武論尊先生は劇場版は暴力を強調しているだけだと言っているが、あちこち改善されていることを認めたくなかったのではないか。
ただ最後のケンシロウ対ラオウは無想転生の下りが無いので浅い感じはした。ただの殴り合いになっている。でも作画は凄い。

このように劇場版は原作から改善されている点が結構ある。週刊連載漫画に対する後出しじゃんけんだから話を整理できるのも当然だけど。

ただ原作には無いツッコミ所もある。バットとリンがバギーで落ちる所は助かるわけねえだろとか、リンがゴーレムみたいなケンシロウを起動するシーン…これはいいや、ジャギがせっかくアイリを人質にとっていたのに放りなげるとか(コマンドーのベネットかw)、レイが花を咲かせたのはリンだとラオウに言ってしまったりとか、リンがケンシロウをもっと早く呼べばレイが助かったとか、そして最後、ユリアが吹っ飛んで行方不明になったのはひどすぎるwリンとバットは無事だったのにw

あとリンが役割的な都合で脳内お花畑な電波少女にされてるのがwリンだけ性格が変わってる感。