企業と野球部のマネージャーは立場が全然違うだろ…顧客だのマーケティングだのイノベーションだの、何もかもが稚拙なこじつけで虚ろに響く

マネージャーのJKのゴミカス女が経営ノウハウ本に啓発されて野球部にイノベーションを起こす…としている話。俺の目にはこの女は何もしてないように見えるが(自分でそう認めるシーンもあるが、周りがこのゴミカス女を持ち上げてしまう…)。有能な二階がマネージャーになってからはこの女はさらに不要の存在になる。二階がキャプテンになり9話のこのゴミカス女の暴言を諫めた所からも、このゴミカス女の不要さがわかる。
ゴミカス女以外の登場人物を意図的に消極的な性格ばかりにして、ゴミカス女が活躍するきっかけを作るという実にしょうもない展開になっている。
そしてこのゴミカス女は「客観的判断が出来るから」とかいう意味不明な理由でレギュラーの決定権を任され、6話では入部希望者の面接官までして採用の判断までやってしまう。「八月のシンデレラナイン」でキャプテンの翼がレギュラーを決めたのをおかしいと思ったが、この作品の異常さはその比ではない。
そしてこのゴミカス女を独裁者として祭り上げた弊害が、9話のこの女の暴言でチームの雰囲気をどん底に突き落としたことで明白になる。

ネタにしているドラッカーの「マネジメント」については、経営本を非営利の高校野球のマネージメントに無理矢理こじつけているせいで、しっかりコミニュケーションしましょうとか人の気持ちを汲み取ろうとか個々人が目標を持てとかリーダーには真摯さが必要とか、精神論的なレベルの低い話になっている。経営と高校運動部の共通項がそれしかないからだ。
だいたい作中で言ってる「野球部員=顧客」が意味不明なんだよね。本来は部員は組織のスタッフで、顧客はスタンドの観客やTV視聴者だろう。非営利の学生野球でなく興行であるプロ野球の話にすべきだった。

そもそもドラッカー自体そんなにいいものなのかという疑問を感じる。マネジメントが言ってることって「相手を知り己を知れ」「過程より結果」だから結局は孫子と同じじゃないかと。後者は「兵は拙速を聞くも、未だ巧久しきを睹ざるなり」が該当するし。
あとノーバントノーボール作戦については、ノーバントはいいのだが(最近の研究では打率2割なら送りバントはしない方が良いとしている)ノーボールはないわ。あと犠打を否定する割に盗塁はやたらするが、現代では送りバント同様盗塁もハイリスクローリターンなので無益という結論が出ているのだが。

原作者のインタビューを読んだことがあるが、作者は別にドラッカーを広めたかったわけではなくこういうネタが売れると思ったから書いたと言っていたくらいなので、この程度の薄っぺらい駄作になるのも当然である。

ともかく全10話だからなんとか我慢して完走できた。このアニメの唯一の長所は全10話で苦痛が短く済むことだろう。これと図書館戦争はI.Gの黒歴史だと思う。

作画についてはI.Gの割には悪い。八月のシンデレラナインよりはいいけどwただ県予選の試合が始まってからは若干作画に力が入って野球アニメらしくなる。クソ原作でも手を抜けなかったのは一流制作会社I.Gの悲しい性だろう。ゴミカス女も試合ではさすがに脇役になってようやく見られようになる。

声優は、学者肌の理論家で消極的な性格の監督はツダケンの声が合っていた。最近ツダケンは合ってないキャラに起用されることが多く感じる。